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My ☆ Sugar Babe

chapterU  「Bitter」 な彼女 prologue



何でこんなに出会いってないんだろう……

普通に学校に行って、普通に就職をして、そして普通に結婚する。
順序立ててみれば簡単なことのように思えるのに、現実はそう甘いものではない。
もちろん、上手くその流れに乗って早々とお嫁に行った友人がいないわけではない。否、むしろそういう友達の方が、数の上では多いはずだ。
毎年お正月に来る年賀状も、年を追うごとに自分ひとりの旅行風景から、「結婚しました!」ハガキへ、そしてだんだんと子供を囲んだ家族写真に変わっていった。
特にここ数年は「家族が増えました」というお知らせを見るたびに、自分の縁遠さを思い知らされる。

今日、大学時代に仲の良かった友人の結婚式の招待状が届いた。互いにキャリアを目指し、彼女は入省して霞が関へ、自分は上場企業の営業職へと進んだ。
ここ2年ほど多忙で、たまにメールのやり取りをするくらい。会うこともなかったら、その間に実はこういうことになっていたとは。

「ああ、結婚したい。マジで、夫募集でもしようかな」

結婚、出産後も仕事を続けたいという自分の考えを尊重してくれて、なおかつ家事も子育てもちゃんとシェアしてくれるような男性なら、年齢も収入も不問にする。この際イケメン好きということだって、諦めてもいい。
いや何なら、食べさせてあげるから、専業主夫になってくれても構わない。
そこまで妥協しても、縁がなければこのまま一生結婚はできないのかもしれない。
そう思うとこれから過ごす自分の人生が虚しくなってしまいそうだ。

「ああ、止めた止めた。こんなこと考えても自分が落ち込むだけだわ」

自分の他に、披露宴に出席する友人にメールをしながら、早妃子はため息をついた。
いつか、自分が友人たちを披露宴に招く機会があるのだろうか。
うーん望みは……薄?




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